2026年6月9日(火)に、大学発スタートアップ創出プラットフォーム「PARKS」において、株式会社アカデミック・ギャングスター代表取締役 中川卓也様のモデレートの元、アカデミア、ベンチャー企業、および支援者(ベンチャーキャピタル等)の皆様を対象とした講演「スタートアップのための経済安全保障戦略 〜研究開発×知財×人事×事業×輸出〜」を実施いたしました。
また、複数社のスタートアップの具体的相談(壁打ち)も実施しました。その他、小林の専門分野である医療機器分野の薬事戦略についても、情報提供と実務相談を請け負いました。
近年、先端技術を扱う大学やディープテックスタートアップを取り巻く経済安全保障および安全保障輸出管理の環境は急速に変化しており、これらへの適切な対応は事業の持続可能性や資金調達において不可欠な要素となっています。本講演では、実務において見落とされがちな「落とし穴」の実例と、それに対する実践的な防衛策について解説を行いました。
■ 主な講演内容
1. スタートアップ・アカデミアにおける具体的なリスク事例の共有
電池関連ベンチャーでの退職後の技術流出(スパイ事案)や、家族が外国政府から支援を受けている研究者による意図しない情報流出(特定類型リスク)、さらには米国産技術が組み込まれた装置の大学における不適切な共同研究利用や迂回輸出など、実務で発生した生々しい違反事例をもとに、日本の外為法と米国EAR(輸出管理規則)の双方への適切なアプローチの必要性を共有しました。
2. 知財活動・特許ライセンスに潜む盲点と「NDA」の限界
「秘密保持契約(NDA)は企業の利益を守るが、国の規制(外為法)は免除されない」という重要原則を解説しました。特許法(NDA下であれば新規性を失わない)と外為法(NDA下であっても輸出管理が適用される)の制度設計の違いを対比させながら、実務的な対策として「資料の2階建て管理(Level 1:公知情報 / Level 2:未公開技術)」や、突発的な質問にその場で答えない「持ち帰るルールの徹底」の重要性を提示しました。
3. 米国EARと国内における「再移転規制」
リスト規制品ではない物資(EAR99など)であっても、最終用途に兵器開発等の懸念がある場合には「End-use規制」が適用される実態を解説しました。日本国内での共同研究等において、End-user Statementで許諾されていない第三国国籍の留学生や別の研究機関への技術・貨物の共有(再移転)が、意図しない規則違反に繋がるプロセスを図解で説明しました。
当社では、先端技術を保有する大学発ベンチャーやアカデミアの皆様が、安全保障輸出管理を単なる「守りのコスト」としてではなく、グローバル展開や資金調達を円滑に進めるための「信頼のパスポート」として実装できるよう、今後も実務に即した知財・安全保障管理の支援を提供してまいります。
該非判定や需要者調査、組織的な輸出管理体制(CP等)の構築に関するご相談は、サービス概要(リンク)をご覧ください。また、下記のお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡ください。


